自己破産 基礎知識

自己破産の手続き

債権調査をする

自己破産を弁護士に委任すると、弁護士ははじめに自己破産を申立てる人(申立人)からお金を借りている先(債権者)を聞き、そのすべてに対して受任通知(介入通知)を送付します。

受任通知というのは、弁護士が代理人になったことを債権者に知らせ、それと同時に債務者とどのような取引をしていたかがわかる書面(取引履歴)を出すよう依頼するためのものです。債権者は受任通知を受け取った後、債務者に請求をしてはいけないことになっていますので、受任通知を発送することにより、業者からの請求がストップします

受任通知を送ってから、1〜2ヶ月の間に、債権者から取引履歴が送られてきます。すべての債権者から債権調査票を受け取ったら、債権調査は終了し、申立人の借金の総額が確定します。

自己破産をするにあたって、弁護士は申立人から聞いた債権者だけを対象として債権調査を行い、確定した借金を免責してもらうよう裁判所に申立てを行いますので、申立人がある借金を弁護士に言い忘れて、そのまま自己破産の手続きが進行したとき、免責が確定して借金がなくなった場合も、申立人が言い忘れていた借金は免責されずに、この借金については返済をしていかなくてはなりません。
必ず、弁護士にすべての債権者を申告しましょう。


自己破産申立に必要な書類
自己破産の申立ては、裁判所に破産宣告申立書を提出します。破産宣告申立書は、陳述書・家計全体の状況・資産目録・債権者一覧表で構成されています。
これらは、自己破産を申立てる人(申立人)から話を聞きながら作成しますが、申立人自身で自己破産の申立てに至った経緯と、自己破産を申立てる月の直前2ヶ月の家計収支表を書く必要があります。申立書に書いていることを証明するために次の書類を添付する必要があります。


(1)戸籍謄本

(2)住民票
世帯全員の記載があるもの(住民票に記載されている住所と、現在住んでいるところが違う場合は、現在の住居の賃貸借契約書も必要)

(3)通帳一式
自己破産を申立てる人の名義の過去2〜3年間に取引のある通帳すべてと自己破産を申立てる人以外の名義の通帳で光熱費の引き落としがある口座の通帳

(4)光熱費等の領収書
光熱費等を、通帳から自動引き落としにしていない場合、自己破産を申立てる直前2ヶ月分

(5)保険の証券
自己破産を申立てる人が保険に加入している場合

(6)解約返戻金の金額を証明するもの
保険に加入していて、その保険に解約返戻金(解約することによって戻ってくるお金)がある場合はその返戻金の金額を証明する書類(解約返戻金がない場合は、ない旨を証明する書類が必要)

(7)退職金見込み額証明書
5年以上会社に勤続していて、退職金の支給が考えられる場合、その金額を証明する書類が必要(証明書の取得が困難な場合や、会社に退職金支給規定があるような場合は、それでも可能)

(8)自動車の車検証
自己破産を申立てる人が、自動車を所有している場合

(9)自動車の価値を証明する書類(査定書)

(10)不動産登記簿謄本
自己破産を申立てる人が不動産を所有している場合

(11)不動産の価値を証明する書類

(12)源泉徴収票または課税証明書
自己破産を申立てる年の直前2年分が必要

(13)給与明細書
自己破産を申立てる月の直前2ヶ月分が必要

(14)その他
自己破産を申立てる人が事業をしている場合は、過去2年分の確定申告書、公的年金や児童手当などを受給している場合はその受給証明書が必要になります。破産宣告申立書に添付しなくてはならない書類は、申立人によって異なります。


申立・免責審尋・免責決定

裁判所に破産宣告申立書を提出すると、裁判官が申立人に支払い能力が本当にないのかを破産宣告申立書や添付書類をもとに判断します。

そして、申立人が借金を返済できない状態であると認められると、裁判官が破産宣告を行います。しかし破産宣告ができたからといって、自己破産ができるわけではありません。借金を免除してもらうためには、免責審尋という手続きをする必要があります。

免責審尋とは原則として、ほかの自己破産申立人と一緒に、裁判官の話を集団で聞くというもので、特に個別に質問をされることはありません。

ただし、借金の総額が多い場合(目安として700万円)や、免責不許可事由がある場合は、集団の免責審尋ではなく、裁判官に個人的に事情を聞かれることがあります。

免責審尋が終了し、債権者からの意見を聞く期間が過ぎると、裁判官から免責決定が出されます。この免責決定がでてはじめて、借金が免除されます。
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利息制限法とは

利息制限法では、金額により利率の制限があります。
10万円未満は20%、10万円以上〜100万円未満は18%、100万円以上は15%です。

しかし、多くの消費者金融の契約利息は、年25〜29%となっています。

これは、「出資法」では、「年29.2%以上の利息の約束をしたり受け取った場合は、懲役もしくは罰金を科す」となっているからです。
つまり、「利息制限法」では無効だけど「出資法」の罰則にふれないグレーゾーンで契約をしている、ということです(出資法が改正されるため、数年後には、グレーゾーン問題はなくなる予定)。

消費者金融側としては罪にはならず、債務者が利息制限法を引き合いに出さないで、利息を黙って払ってくれれば言うことなし!という利息なのです。つまり、支払う必要がないということです!!

計算方法は、今まで100万円の元金に対して、29%の利息を払っていたものを、利息15%だったとして再計算します。
すると、14%分も余計に払っていたことになります。その余計分は利息ではなく、元金の返済をしたことにすればいいのです(この主張は判例でも認められています)。この方法により、一回の返済で元本分の支払いに充てた額が増え、長年借り入れと返済を繰り返している場合は、借金が半分やゼロになったりすることがあるのです。

これで、利息のために返し続けても減らなかった借金が減らせる、もしくはなくなります
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過払い金とは

利息制限法で再計算をすると借金が減りますが、消費者金融との付き合いが長い(一般的には5年以上取引があれば、過払い金が発生している可能性があり、7年以上であれば、過払い金が発生している可能性がかなり高いです。ただし、直前に多額の借り増しをしていたり、小口の借入れを頻繁にしている場合は取引期間が10年以上であっても、過払い金が発生しない場合もあります)と、元金がなくなっているどころか払いすぎているときがあります。

これを「過払い」といい、返金してもらうことができます。

過払い金返還請求を、債務者自身で行うことは可能ですが、現実的には弁護士・司法書士に依頼しないで、自分で過払い金を回収しようと思っても、貸金業者が取引履歴の開示をしてくれなかったり、取引履歴を開示してくれたとしても、素直に過払い金を返還してくれないことが多くあります。そうなると、債務者は民事訴訟を提起する以外なくなってしまいますが、訴訟を遂行するには、専門的な知識が必要となるので、困難を伴うことになります。そういった事情を考慮すると、弁護士・司法書士に依頼をするのが無難かもしれません。

なにはともあれ、借金の額が減る可能性があるならば、まずは行動を起こして、弁護士や司法書士に頼るのが一番だと思います。返済の負担が軽くなることが大いにありえるのです。
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自己破産とは

破産とは、債務者が多額の借金などにより経済的に破綻し、資産では全ての債権者に対して完全に弁済することができなくなった場合、最低限の生活用品を除いたすべての財産を換価して、全債権者にその債権額に応じて公平に弁済する裁判上の手続きのことです。
破産の申立ては債権者からもできますが、債務者自らが申立てる破産を自己破産といいます。
今後の債務返済義務から逃れるために自己破産の申し立てをしますが、「破産宣告」と「免責」という二つの手続きから成り立ちます。

【破産宣告】

借金の額に比べ財産や収入が少ない場合、裁判所から「破産宣告」を受けます。しかし「破産宣告」は裁判所から支払能力が足りないと認められただけで、債務の返済義務は残っています。


【免責】

債務の返済義務を免除してもらうためには「免責」を受ける必要があります。「免責」の場合、権利義務に対して重大な影響を及ぼすので、破産宣告を受けたからといってだれでも「免責」を受けることができないようになっています。この制限を「免責不許可事由」といいます。免責決定が確定すると「復権」により、債務者は破産手続開始決定のない以前の状態に戻り、公私の資格制限も解かれ、普通に生活することができるようになります。


【免責不許可事由】

(1)破産財団(破産手続開始決定時に破産者が持っていた財産)を隠したり、壊したり、債権者に不利益に処分したとき
(2)破産財団の負担を偽って増加させたとき(虚偽の抵当権をつけるなど)
(3)商業帳簿を作る義務があるのに作らなかったり、不正確または不正の記載をしたり、あるいは帳簿を隠したり、破り捨てたりしたとき
(4)浪費や賭博などの射倖行為で著しく財産を減少させたり又は過大な債務を負担したとき
(5)破産手続開始決定を遅らせる目的で著しく不利益な条件で債務を負担したり、信用取引で商品を買い入れ著しく不利な条件でこれを処分したとき
(6)破産原因があるのに、ある債権者に特別の利益を与える目的で担保を提供したり、弁済期前に弁済するなどしたとき
(7)破産手続開始決定前1年内に破産原因の事実があるのにそれがないことを信じさせるため詐術を使って信用取引により財産を得たとき
(8)虚偽の債権者名簿を裁判所に提出し、または裁判所に対し財産状態につき虚偽の陳述をしたとき
(9)破産者が免責申立前7年以内に免責を得たことがあるとき
(10)破産法に定める破産者の義務に違反したとき


自己破産をするメリット】

(1)裁判所から免責を受けることができると、基本的に債務の返済義務がなくなる
(2)自己破産手続き中で、最も減額幅が大きい
(3)特に破産者にめぼしい財産がない場合(「同時廃止」=債務者の財産が少なく、破産手続きの費用が用意できない場合、破産手続きを進める意味がないので、破産手続開始決定と同時に、破産管財人を選任することなく破産手続きを終結してしまうこと。自己破産申し立ての90%以上が同時破産廃止になる)、比較的費用など安く手続きをすることができる


自己破産をするデメリット】

(1)官報に名前が載る・・・一般人には縁がないものなので、通常知人に発見されることもない
(2)役所の破産者名簿に名前が載る・・・一般人は見ることができず、免責後は抹消される
(3)市区町村で発行される「身分証明書」に名前が載る
(4)弁護士や公認会計士、司法書士の職業の資格制限
(5)取締役や監査役を退任させられる
(6)ローンやクレジットを利用できなくなる(すべての債務整理に共通)
(7)家や車などの高価な資産を失う
※(2)〜(5)は免責を受けると消える(復権)
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